私たちの絶対的環境
すべてのものが重力の支配下にある
地球で生活をしている私たちは、重力という絶対的環境下で生活をしています。これは至極当たり前のことです。「今さら何を言い出すのか?」と思うでしょう。
それでは重力の支配下にあるということを前提に歩くを考えてみます。
体重60kgの人が立っているときは、足裏(両足)には30kgプラス30kgの重量がかかっています。歩き始めると片方の足交互に60kgの重量がかかる計算になります。
これを人間は、骨格と筋肉で支えています。あくまでも静止荷重ですから飛んだり跳ねたり足ったりするとその何倍もの荷重が足にかかります。
足の機能
衝撃吸収と衝撃ブロック
足には衝撃を吸収する機能と衝撃をブロックする機能の両方が備えられています。足首から下を足、股関節から足首までを脚と表現します。
その足の機能。足が地面に着地するとき、その衝撃を足首や膝・股関節に直接伝えないためにそれらの衝撃を吸収します。これは足の骨格の組み合わせにより実現されます。
また、足は衝撃を吸収した直後に衝撃吸収とは相反する反発する骨格の組み合わせに変わり地面を蹴りだします。
少し解りにくい表現をしましたが歩く・走るという動きをゆっくり観察するとわかると思います。人間の足は衝撃を吸収する免震構造と衝撃に対して反発する耐震構造を瞬時に切り替えることができる機能を持っているのです。
その機能を切り替えるために働いている骨は舟状骨・立法骨・楔状骨など5つあり、距骨との間にある横足根関節の可動により機能しています。
脚力と足の関係
一般的な話ですが、歩いたり走ったりするときには脚力が必要となります。車で言えばエンジンのパワーと同じです。
車は、エンジンのパワーを地面に伝えて初めて動きます。タイヤがパンクしていても動きますがミッション(動力伝達装置)が壊れていたら動くこともできません。
人間の場合を考えてみましょう。脚力はパワーです。それを地面に伝えるのは足です。この足が壊れていたら脚力があっても思うように歩くことも走ることもできません。
簡単な算数で表現してみます。
- 年齢とともに脚力が低下しても、足の機能があれば安定した歩行が実現します。
足病医学の考え方
アメリカ
アメリカには足病医という膝から下、足までを専門的に診療治療する国家資格を持った医師が存在します。
人間の体を支えている足に狂いが生じてしまうと、膝・股関節・腰・首・肩などあらゆるところに不具合が出てしまうという考えかたがベースにあります。
例えば、右足と左足の機能に大きく差があった場合のアイスホッケーの選手は、左ターンは、スムーズにできているに右ターンになるとぎこちなくなりスムーズにできないことがあります。これらの原因は、足の骨格のズレによる場合がほとんどです。
登山やマラソン、長時間のウォーキングなどで膝や股関節に痛みが出る場合は足の骨格のズレをチェックしてみる必要があります。
人間の場合、筋肉を鍛え つっかえ棒 にしたりしますが、根本的に基礎は狂ったままです。
足病医学では、インソール(足底板)を使い本来の足の機能を取り戻します(もちろん限界はありますが、進行を止め改善を目指すことができます)。
スーパーフィート
プレミアムインソール
スーパーフィートインソールは、アメリカの足病医学がもとになり足病医が開発しました。
見た目には普通のインソールに見えますが、インソールの設計理論や作り方に大きな違いがあります。
一般的には、大きく3種類のインソールが存在します。
アーチサポート型
現代人の多くが悩まされている足の問題は、過剰回内(オーバープロネーション)と言って、膝が過剰に内側に捻じれる状態を指します。
すべてではありませんが、偏平足の人がこれに該当します。悪化すると舟状骨という足の骨が内側に飛び出したようになります。
偏平足に人は、特に縦と横のアーチが落ちてしまっています。また、それにより立位姿勢が前傾状態になり指の付け根あたりに痛みを感じたり中央の指がしびれたりします。
そのため、それらを解消するために一般的に普及しているのが、土踏まずのアーチや横のアーチを直接持ち上げるアーチサポート型インソールです。
このインソールや中足骨を持ち上げる中足骨パッドなども、ある一定の効果は期待できます。しかし、足の骨格はずれたままです。
クッション機能型
クッションタイプインソールの素材には、特殊なゴムやウレタンやジェルなどが使用されています(これらを組み合わせたものもあります)。
人間の足裏には、ある一定の脂肪層があり衝撃吸収の役割をしています。昔の革登山靴などはインソールもないものも多くありそれらに使われていました。
私たちの足裏にある脂肪層は、正しい状況であれば衝撃吸収機能を持ったゴムやウレタン・ジェルの何倍もの衝撃吸収能力を持っています。
足の裏が痛いとか膝が痛いなどというとき、安易にクッション型のインソールを使用するのではなく、その原因を追究することをお勧めします。一般的な整形外科で診察を受けることが良いでしょう。
整形外科では、問診の後にレントゲン撮影をします。これはまず、骨に異常がないか確認をしています(骨折・腫瘍・感染症など)。
特に骨に異常がなければ、症状にあった対症療法で治療が始まります。必ず、科学の目で確認をしておくことが先決です。
また、人間の体はいろいろな機能を持っていますが、その機能を外から与えられると自分の機能を温存もしくは封印してしまうことがあります。
機能はいつも使うことでその機能を維持向上させます。筋肉は使わないと使えなくなるものです。足裏の脂肪層も使わないとどんどん薄くなる可能性が潜んでいます。
ケニヤ・エチオピア・ジャマイカの少年少女たちは毎日裸足でランニングをしていました。彼ら彼女らの足裏には柔らかい脂肪層が十分あり驚くほど柔らかい足裏をしているそうです。
ニュートラルポジション型
SuperFeet
スーパーフィートインソールがこのタイプです。
突然ですが自動車の話をします。カー用品店やタイヤ専門店で「車のアライメント調整をしましょう」と言われます。
アライメントが狂ってしまうと、ハンドルがどちらかにとられたりタイヤが偏摩耗したりします。
自動車は、正しいアライメントであればハンドルから手を放しても真直ぐ進みます。ブレーキを力いっぱい踏んでも真直ぐ止まります。これが、ある意味、ニュートラルポジションです。
人間の脚にもアライメントとムーブメントが存在します。人間の場合のアライメントは足の骨格により導かれます。その足の骨格をニュートラルに矯正するのがニュートラルポジション型インソールです。
太もも外側に張や痛みを感じたら
要注意
登山など長時間の歩行で太ももの外側に張や痛みを感じたら要注意です。
足の骨格がニュートラルから回内の位置にずれている場合、歩くたびに膝は必要以上に内側に捻じれようとします。
それを大臀筋とそこから膝まで伸びる腸脛靭帯が内側に入らないよう頑張ります。車で言うと真直ぐ走らない車を腕力でハンドルをしっかり支えている状態です。
この腸脛靭帯は、大臀筋と腸骨筋と合わせて階段を上ったり、ランニングやジャンプ・スクワット・坂道を上る際に強く働きます。
登山などでは、上りで筋肉を使いきってしまい、下りのころには支えきれなくなってしまいます。そのころになると太ももの外側に張や痛みが出てきます。
そのまま歩き続ける(下山を続ける)と膝がスイング(笑う)を始め、膝の内側に痛みがでる恐れがあります。同時に、足は着地時に小指側に流れてしまい、小指の外側を押し込む状態になりまめができたりします。
このような症状もスパーフィートのカスタムインソールを使って矯正することができます。
日常的な歩行の矯正
立位姿勢や歩行姿勢は、昨日今日出来上がったものではありません。
それは筋肉の癖です。例えば、いつも左方にショルダーバックをかけて長年仕事をしていたら、バッグをかけていなくても左肩が右肩よりも高くなってしまったりします。しかし、本人の感覚で肩は平行で真直ぐに認識しています。これも筋肉の癖と言っていいでしょう。
では、歩行姿勢はどうでしょう。現在履いている靴のかかとを見てください。多分、外側がすり減っていると思います。
日本人は、O脚人種とも言われています(比較的多いという意味です)。靴の外側が縦方向にすり減っている場合は、あまり気にしなくてもかまいません。
しかし、かかとの後ろ側が減っている場合、できれば矯正が望ましいです。
このような人は、右側と左側の減り方に偏りがでていることが多くあります(足が上がっていない状態で、かかとをズリズリと引きずっています)。
日常的な歩行姿勢と矯正するということは、歩き方教室に参加して矯正するという意味ではありません。
理想的な歩行姿勢を実現する環境に自分を置くもしくは環境を作ってしまうということです。言い換えると、現在の歩行姿勢も無意識のうちに、そうなる環境に自分を置くことです。
パルフィールドでは、これを実現するためにスパーフィートカスタムインソールやMBTシューズ・ドクタバランスインソール・SEVアンダーインソールを組み合わせた使用をご提案しています。
理想的な歩行姿勢
仙骨が起きている
仙骨とは骨盤の中央に位置する大変重要な骨です。ヨガをされている方は、ヨガ教室などで「仙骨を起こして」と、よく言われませんか?
歩行時に地面に対して骨盤が垂直(だいたいでOK)になることで、足を前に出す歩き方から腰を前に送る腰誘導型の歩き方になります。
骨盤が前傾や後傾をすると腰を前に送りにくくなり、膝が曲がったまま足を前に出して歩くようになってしまい膝に大きな負担(ダメージ)を与えてしまいます。
一方、骨盤が起きて腰を前方に送る歩き方になると、膝は伸びた状態で地面に着地し、同時に足が理想的なローリングを始めます。これを一般的にモデルウォークと呼んでいます。
ポイントは、モデルウォークを目で見て覚えて実践するのではなく、骨盤を起こす環境を作り(MBTシューズやスーパーフィートインソールを使用)、特に意識することなく環境に指示されることでモデルウォークを実現させることです。